Petanque(ペタンク)は高齢者のスポーツのように見ている人は多いかもしれません。
マイナーなスポーツの中でも力が要らず激しく動くこともなくさらにルールが簡単ということ、高齢者や小さな子どもでもすぐに実践できるという意味においては、誰もが取り組みやすく楽しめるスポーツであることは間違いありません。
実際にペタンクをしている方の平均年齢は高めです。公式大会では60代70代の大先輩方が多くプレイされています。
頭を使わないと勝てない
それでは、このペタンクに引き寄せられる魅力とは何なのでしょうか。
ルールとしては6~10m先のマト目掛けて鉄球を転がし合い、どちらが近いかということを競うものですが、実際のイメージは大きく異なります。
1球目から勝負が始まっています。
プセットで相手の球を押し出したり、ティールで弾き出すことで、寄せては打つを繰り返すのです。ボールとボールがぶつかり合い、ビュットが弾け飛ぶ。このような展開は高齢者のイメージとはほど遠く、むしろ2~30代のスポーツと言っても全く違和感はありません。ダブルスでは1人3球ずつの6球対6球で勝負しますが、相手が寄せにくい所へ置いたり、的自体を動かして展開を大きく変えたり、いかに相手の持ち球を消費させ、いかに多くの得点を積み重ねるかを常に探ります。残り玉を把握しどのように展開していけば、より有利に働くかを自分の技術と状況を鑑みて瞬時に判断していくことが試されるのです。
また地面で行う競技なので状態は一様ではありません。70mm程度の鉄球は、地面の状態に大きく左右されます。どんなに真っすぐ投げたとしても、小石に進路を変えられ砂に足を取られてしまうのです。これがさらにペタンクをオモシロくしてくれます。逆に失投だと思った投球が地面の状態に助けられることも。技術的な小技はもとより知力が必要であり、大地に翻弄されるのが一番の魅力ではないでしょうか。
また単に体力の無い人が楽しむスポーツではありません。1試合小一時間は掛かるため炎天下ではなかなか厳しい環境と言えます。多少の雨天では試合は決行されるため若者でさえ音を上げてしまうこともあるかも知れません。
このペタンクの奥深さにいち早く気付いたのが我々の大先輩だっただけなのです。
祖父から親父へそして孫まで続くペタンク
おじいちゃんおばあちゃんになると、野球やテニスは体力的に追いつかないこともあります。公園や近所の空き地で気軽に出来るペタンクは、親子3代に渡り一緒にプレイできる数少ないスポーツであり、ボールとビュットを持ち思考を巡らせながら行うプレイは子どもの知育にも貢献し、脳の活性化にもつながります。ペタンク発祥の地であるフランスにおいては子どものうちからペタンクをする人が多いようです。サッカーに次ぐ国民に愛されてるペタンクは街中での交流の場になっています。通りの並木の下でペタンクをする人をパスティスというお酒を呑みながら見ています。気ままなスタイルで気ままな時間にゆったりと時間が過ぎていきます。
いろんな魅力に包まれたペタンクをもっと多くの人に知って欲しいと思います。日本でもフランスの街かどのような光景を目にする日を日々夢見ているのです。